~2023年度活動アルバム~
4月
【着物にまつわるあれこれ】
参加者の着物に関するヒストリー及び今年着物周りでチャレンジしてみたいことをたっぷりとお話していただきました。
着物ヒストリーでは、子供の頃にお祖母様やお父様お母様が着る姿を見ていらっしゃったり、ご自身も着る機会があった方、成人してから着る機会があった方、あまり縁がなかった方、着物はあったけれど、しまわれたままで着る機会がなかった方など様々でした。
また、今年チャレンジしてみたいことでは、持っている着物を全て着てみる、他装をできるようにする、着物をほどいてリメイクしたい、半衿の刺繍をしたい、着物や襦袢を仕立てたい、卒業式のコーデを練る、収納をどうにかしたい、と、こちらも様々な目標を持っていらっしゃり、年度末に成果をお聞きするのが楽しみです。
【パートナーズ登録会】
29期の保護者向けの登録会に参加しました。
机へのコーディネート平置きの他、トルソーにカジュアル着物や袴を着つけ、さらにメンバーが振袖着付けをデモンストレーション。着物に興味はあるものの、着る機会がない、敷居が高いと思っている多くの保護者の方が教室を訪れてくださり、メンバーとのコミュニケーションを通して少し着物文化を身近に感じて頂けたように感じました。
着物を通した奥深い和の文化を、新たなメンバーを迎えて楽しんでいきたいと思います。
5月
【着物の歴史と素材】
私たちが身に着けている着物はどのような歴史を経て現在の形になったのか、また、着物を構成する素材について学びました。
袖なしの巻頭衣から、様々な技術や環境の変化を経て出来上がった「小袖」が着物の原型です。また、今では着物というと絹のイメージですが、古くは藤のつるのような植物が素材として使われていました。
かつて生糸の輸出量世界一を誇った日本ですが、養蚕業は衰退の一途をたどり、昭和5年に40万トンあった生産量は令和3年にはわずか60トンに減少したとのことです。私たちにできることは限られていますが、着物文化を継承するために、これからも着物を楽しんでいきたいと思いました。
【着物の種類とTPO】
前日までの曇り空から一転、その日は浴衣でもいいくらいの暑さでしたが、それぞれ単衣や絽の襦袢など、個々に暑さ対策も万全で参加されていました。
留袖から浴衣まで着物の格について、訪問着と付け下げの違いは?紋の有無は?柄は?などの着物の種類やTPOについて学びました。近年は、慶弔の席など特別な場面以外では、ルールにとらわれずに着物を楽しんでいこうという流れになっているようです。
後半には近郊の実店舗、ネットショップ、催事、着物市などの情報を共有。また、実際にそこで購入した方から、経験談、店の様子、ネットでの注意事項なども聞くことができました。最後に、初めて持ち寄りのフリマも開催し、短時間でしたが大変盛り上がりました。
6月
【浴衣着付け講習会】
朝から気温が上がり、真夏日になる予想のとても暑い一日、コロナ禍で中止が続いていた浴衣着付け講習会を再開することができました。
メンバーが講師となり、実際にご自身が着付けをする形で指導することで、参加者のみなさんにも分かりやすく着付け練習をしていただけました。
たくさんのポイントを巧みな話術で講義し、時に会場からは笑い声も上がりつつ、みなさん真剣に取り組まれました。
全体指導の後は小グループに分かれ、繰り返し練習。ファミリーメンバーの手厚いサポートにより、全ての参加者の方に浴衣の着付けをマスター頂けたように思います。
参加のみなさまには是非ご自宅でも練習頂き、今年は浴衣でのお出かけを楽しんで頂きたいです。生徒のみなさん、和装の日を楽しんでください!
7月
【着物の収納とお手入れ】
あいにく外は蒸し暑い雨でしたが、涼しげな夏着物と新調された畳の効果で室内は快適指数100%。雨対策、暑さ対策の情報交換も盛り上がり、雨の日の集いもいいものだなぁと思いました。三大“着物の敵” ①湿気→カビ、シミ ②光(日光、蛍光灯)→変色、褪色③虫→絹やウール素材の虫食い この3つを避けることを意識した収納をすると良いとのこと、収納場所や収納方法について勉強するとともに、便利グッズの情報交換を行いました。
結論としては「着物にとっていちばん良いのは、仕舞い込まず《着る・出す・見る》こと」。袖を通す機会を増やすことが着物を長持ちさせるいちばん良い方法のようです。
今後は、着物でお出かけする機会を持とうということで散会となりました。
【染めの概論】
染めの種類、それぞれの特徴、技法などを学びました。
紬、お召し、木綿やウールの「織り」に対して、白い反物を後染めした物が「染め」で、
防染や染めの手法により様々な染物が出来上がります。
主な染としては、京鹿の子、有松鳴海絞り、雪花絞り、友禅(京都、加賀、東京)、東京染小紋(江戸小紋)、注染浴衣、紅型型染などが挙げられます。説明のあと、染めの体験をした作品とその際の写真を見ながら、その奥深さを楽しみました。
9月
【半襟にまつわるアレコレ】
半襟の役割、TPO、法則などを学びました。 冒険したくてもなかなか難しい色合わせですが、 着物と半襟の地色を合わせる /帯や帯締めの色と合わせる /万能な幾何学柄 /刺繍半襟はたっぷりと、色半襟は狭めに出す /やわらかもの、紬それぞれの刺繍半襟の合わせ方 /
などのノウハウを紹介しました。
後半は、持ち寄った着物と帯、みなさんに持ってきていただいた半襟を、実際に合わせてみました。洋服ではあまりないような意外な色の組み合わせや、小物によって雰囲気がガラッと変わるのは、着物の醍醐味ですよね。100均で買い集めた半襟にできそうな手ぬぐい、レース、ハギレなども、十分に活用できそうでした。みなさんであれこれコーディネートしてみて、とても楽しい時間でした。
【シルク博物館へお出かけ】
近くにありいつでも行けると思いながら、なかなか訪れる機会のなかったシルク博物館。今回は現地集合にてゆっくり展示を楽しんできました。
1859年の開港以来、日本の貿易の玄関口として発展してきた横浜。開港以来昭和の初めまで主要な輸出品であったのが生糸で、1909年には日本は世界一の生糸輸出国になったそうです。「かいこ」から製糸、染織など、「絹ができるまで」の過程は非常に興味深く、私たちが今楽しんでいる着物が、どのような手間をかけて作られたものか、その貴重さを改めて感じることができました。
10月
【沖縄の染織―沖縄本土の絣織と紋織】
季節の変わり目ということもあり、参加された方は単衣と袷どちらもいらっしゃいました。今回のテーマである沖縄の染織を纏った方もおり、どことなく南国ムードの漂う中での開催となりました。
沖縄には国指定の伝統工芸品が16あり、そのうち13が染織です。染は【紅型】一つでその他は全て織で、【芭蕉】、【苧麻(ちょま)】、【木綿】、【絹】などの素材を、【絣織】や【花織】、【紋織】などの技術で織り上げます。
琉球絣や花織を中心に織物体験の作品も手に取りながら楽しみました。
【帯の種類とTPO】
帯の種類やTPOについて、皆さんで持ち寄った帯を茶室一杯に広げ、実物を見ながら基礎知識について学びました。
半幅帯(カジュアルな普段着用)、名古屋帯(普段着から軽いフォーマル)、袋帯(フォーマル)など帯の種類に加え、仕立てや柄付け、さらには染と織などなど。
一般には染めの着物には織の帯、織の着物には染めの帯を合わせる、染めの帯よりも織の帯が格上、とされていますが、普段着物は自由度をもって楽しみましょう。
購入の際に気を付けることなどの情報交換をした後は、お太鼓結びにチャレンジしました。実際にやってみると色々なポイントも分かり、今後の着付けに活かせそうでした。
11月
【冬の装い】
11月だというのに夏日になった暑い土曜日、少し気が早いですが「冬の装い」について防寒対策を中心に情報交換をしました。
着物は首、手首、足首が防寒のポイントですが、色々なインナーやおしゃれ防寒グッズもあり、様々な工夫ができそうです。
また、ヴェルヴェットの羽織や絞りの着物など、暖かい素材や織も冬には大活躍します。
まもなく迎える寒いシーズンも快適に楽しみたいです。
【振袖着付けデモンストレーション】
メンバーが講師となり着付けデモンストレーションを行いました。
振袖に必要な準備について、薄手タオルに加えて、薬局でも買える綿やガーゼが細かな凹凸補正にとても有効とのこと、実際にトルソーでその方法を見せて頂きました。その他にも衣紋の抜き方や詰まり防止の方法、裾の長さや裾すぼまりの処理方法、襟の整え方、おはしょりの整え方などなど、多岐に渡るポイントを丁寧に教えて頂けました。
お子様の成人を祝う会を控えた保護者からは多くの質問が寄せられていました。
振袖は華やかで気分があがりますね!選んだり、着付けに挑戦したりと楽しんでほしいと思います。
12月
【紋様はどこから? 帯の中のユーラシア】
OGを講師に招き、紋様のお話をしていただきました。
紀元前2世紀から約千年にかけて、交易や軍事で栄えたイラン系民族のソグド人が西アジア(今のアフガニスタン付近)から各地を中継しながら交易品を運んだとされており、そうやって遠く離れた日本まで運ばれた品々や文化が、帯の中に息づいているのではないかと考えられています。 文化は国境を越え時代を越えることにロマンを感じますね。
【和装小物あれこれ】
着物を着てお出かけするようになると、帯留や帯飾り、羽織紐などの小物にも興味が出て楽しみが広がります。
今回は今年初めて試みとして、みんなで小物作りを楽しみました。みなさんかなり集中して取組まれていて、そんな様子も新鮮に感じられました。
同じような素材を使っても、それぞれの個性が出て1つとして同じものは無いのが手作りの面白さだと改めて感じます。
1月
【新春の装い】
この日の活動時間帯は、誰もが外出したくなるようなポカポカ陽気。和室の窓と障子を開け、心地よい暖かさの中で新年の活動を始めました。
訪問着に金糸銀糸の入った袋帯、宝尽くしの帯や龍の刺繍の入った帯など、皆さん思い思いの新春にふさわしい装いで参加してくださいました。
「年末年始にお着物を着ましたか?」の質問には、初詣や成人式に、娘さんや息子さんにお着物や袴を着付けたというお話があり、聞いているこちらも心が和み微笑ましく思いました。
【茶道基礎講習】
メンバーとメンバーのお嬢様お二人にご協力いただき、茶道基礎講習を行いました。
「お茶会」へ一歩を踏み出すための作法を教えて頂きました。まず、初心者が参加しやすいお茶会の目安(参加費用や開催場所)を教えていただきました。茶室の入り方、おじぎのタイミング、お菓子の頂き方、お茶碗の扱い方、懐紙の使い方など基本的なことの説明を受けながら、実際にお茶会形式でお菓子とお茶を頂きました。ほどよい緊張感の中で美味しいお菓子とお茶を頂き、なんとも贅沢な一時でした。あいにく学校内の暖房が使えない中での活動でしたが、皆さんの熱気と温かなお茶のおかげでほっこりと過ごさせて頂きました。お作法を忘れないうちにお茶会に是非参加してみたいです。